育毛への竜涎香の可能性

愛知医科大学非常勤講師
神保太樹先生の学術コメント

 

育毛への竜涎香の可能性

 

アンバーグリスは発見されるときは油脂用の塊として見つかりますが、その利用のためには、溶媒による抽出を経てチンクチャーと呼ばれる状態になる必要があります。

このアンバーグリスチンクチャーには多様な成分が含まれており、長く熟成することで大変高貴なにおいがすると評価されています。

その主要な成分はイオノン類やアンブレイン、またその自然酸化物であるアンブロックスなどが主なにおいです。

アンブレインは熟成が進むにつれ分解し、さらに多様な成分へと変化することが知られています。 例えばテトラノルラブダンオキサイドなどが有名ではありますが、これは男性のヘアケア用品などによく使われるものです。匂いも良いのですが、その構造が女性ホルモン様であることから、使用するとエストラジオールと呼ばれるホルモンの血中量が上昇することが知られています。 また同時にストレス物質が減少することも報告されています。

これに加えて、有限会社アンバーグリスジャパンで製造しているチンクチャーを分析してみたところ、ミリスチンと呼ばれる保湿効果のある物質や、ペンタデカン類という育毛作用が期待できそうな物質も含まれていることがわかっています。

このことからアンバーグリスチンクチャーには、育毛剤などにおける着香材の良い選択肢になる可能性があると思われ、今後の開発が待たれます。