海からの宝物〜龍涎香(りゅうぜんこう)〜について
海からの宝物「龍涎香(りゅうぜんこう)」
日本の海にはまだ眠っているお宝があります。それは古代から妙薬としても使われているものです。
それが、龍涎香(りゅうぜんこう)。
先日も、戦後初で奄美大島海岸に見つかったとニュースになったところです。
アンバーグリスジャパンでは、この天然の龍涎香を通じて、現代のさまざまな課題にアプローチできる可能性があると考えています。
ビーチクリーンとはじめ、人にも素晴らしい作用をしていく可能性がたくさんあります。
龍涎香(りゅうぜんこう)ってなんだろう?どんなものなの?
そんなことを下記に綴っています。
龍涎香(りゅうぜんこう)って何でしょう?
竜涎香(りゅうぜんこう・アンバーグリス)は、マッコウクジラの腸内に発生する結石です。
独特の香りを持ち、幻の秘薬ともいわれる貴重な動物性香料の一種でもあります。(動物性香料は、合成香料3000種類・天然香料600種類に比べて、動物性は4種類というそもそもが貴重なもの)
龍涎香はどうやってできるかと言うと、捕食したイカのくちばしからマッコウクジラ自身の腸を保護するために出した油が固まってできたものなのです。
クジラ自らが自身の身を守るために出された天然物です。
龍涎香(りゅうぜんこう)の歴史
竜涎香の化石は175万年前のものが発見されており、
何千年も前から中東、欧州、アジア各国で、
媚薬、性欲促進薬、健康増進、妊娠促進のための「薬」としても用いられてきました。
中国では、神経や心臓の不調に効果がある漢方薬としても珍重されてきました。
日本では室町時代の書物に竜涎香の記述があり、この頃香料として伝来したのではないかと推測されています。
竜涎香は比重が軽いため海面に浮きます。非常に希少で高値で取引されることから、
「浮かぶ金塊」などと呼ばれてきました。
龍涎香(りゅうぜんこう)と捕鯨の歴史
18世紀以降、鯨油の採取を目的とした捕鯨が盛んになったことでマッコウクジラの数が激減。
また、1920年代に人工合成に成功して以降は、合成物が主流となったことから
天然の竜涎香は非常に入手困難な「幻の香料」とされてきました。
しかし、1986年の商業捕鯨禁止以降、マッコウクジラの数は
少しづつ回復していることから、今後、竜涎香の採取事例が増えていくことが期待されます。
龍涎香(りゅうぜんこう)の品質について
龍涎香は、産出されてから海面に浮かび、空気に触れ、紫外線を浴び酸化して、
何年も海面を漂ったものが品質が良くなり、高品質となります。
酸化のレベルによって色が変化し、黒から白の間には、灰色から茶色があります。
龍涎香の見分け方
簡易的な方法
・官能検査 :最も簡単な方法、香りを嗅いで判断する。
※比較用のサンプル若しくは経験が必要。
・ホットワイヤーテスト:赤熱した針を竜涎香に刺すと白い煙を上げて溶ける。
竜涎香が溶けると黒色のタール状になり、べた付いた感触です。
※天然ゴム、海蝋、プラスチック等も加熱すると溶けるので注意。
・エタノールへの溶解 :竜涎香はエタノールに溶解します。
※オイルボール(類似品)もエタノールに可溶なので注意。
科学的な方法
・ガスクロマトグラフィー:現在、GC-MS法が一般的な分析方法です。
龍涎香と見分けにくいもの
・発泡樹脂、ウレタン
・石灰
・プラスチック
・天然ゴム
・海蝋、パラフィン
・オイルボールetc
龍涎香(りゅうぜんこう)の持つ作用
龍涎香(りゅうぜんこう)は、香料のみならず薬としての薬理作用が期待できます。
龍涎香はアンバーグリスとも呼ばれ、多くの薬理作用があると伝えられ、伝承薬や民間薬として活用されてきました。
・骨の代謝に関わる作用
・アルツハイマーなど脳に関する作用
・五味のうち、甘・酸に分類する作用
・気を巡らせる
・意識に関する作用
・排尿に関する作用
・痰に関する作用
等々
アンバーグリスジャパンとしての活動
この龍涎香(りゅうぜんこう)を見つけることで、ビーチコーミングが活性化し
日本の海が美しくなって、海岸や海沿いの地域の活性化にもつながると私たちは考えています。
また、それを活かしていくことで人にも素晴らしい作用が齎される可能性も大いにあります。
海を綺麗に、現代人の古代の叡智を、の龍涎香のサプライチェーンです。
これからもアンバーグリスジャパンでは、龍涎香(りゅうぜんこう)の活動を行っていきます。
どうぞよろしくお願いします。
投稿者プロフィール
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マッコウクジラの排泄物が海を漂流し岸辺に打ち上げられた、貴重な竜涎香(りゅうぜんこう)の日本国内での流通を生み出す活動をしております。
環境や人の心と身体が健やかになって行くことを願い、龍涎香の広報や研究・鑑定、商品開発などを行っております。
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